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検査について

当院では、臨床検査技師が検査を行っています。
臨床検査技師の仕事には生理検査と検体検査の2つがあります。

生理検査は心電図検査や超音波検査、聴力検査、眼底検査など直接患者様と接して情報を得る検査です。日々 知識と技術の向上に励んで「質の高い検査」を目指しています。

検体検査は尿や便など体液を検査する一般検査、血液や尿に含まれる蛋白質、酵素や脂質などを測定する生化学検査、ウイルスや感染症、アレルギーなどを測定する免疫・血清検査、血液中の細胞数や機能を測定する血液検査、その他 病理細胞検査、微生物検査などがあり、患者様から採取された検査材料から行う検査です。
当検査部では、電子カルテ化に伴い、生化学自動分析装置、自動血球数分析装置、血液ガス分析装置、尿自動分析装置をネットワークシステムにより、検査データを正確かつ迅速に電子カルテに発信しています。

 

生理検査

【心電図検査】

心臓は1日10万回も拍動して、酸素や栄養を含んだ血液を、からだ中に送っています。そのポンプを動かしている心臓の筋肉活動を記録して、血液を送り出すリズムの異常(不整脈)や、心臓の細胞異常(虚血性心疾患)、また高血圧を伴う心肥大等の心疾患スクリーニング検査です。
検査時間は2分程度です。

【マスター心電図検査】

安静時の心電図だけで心臓疾患を見つけられない場合、一定の運動をして心臓に負担をかけて心臓の変化を記録する検査です。
年齢、体重、性別から決められた回数を一定時間に規定速度で2段になった踏み台を、昇降運動していただきます。
【注意事項】
運動中、胸痛や胸に違和感が生じた場合、足が痛くなった場合等、何か体調に変化が生じましたら、直ちに申し出て下さい。
検査時間は15分程度です     

【ホルター心電図検査】

心臓由来の症状、例えば動悸、脈の乱れ、胸の痛みなどがある場合には、心電図検査が行われます。しかし、通常病院で行われる安静時心電図は、1分以内と短時間のため、症状の原因となる心電図変化を捉えるとは限りません。
心臓を養う血管の冠状動脈の流れが悪くなって起こる狭心症発作は、日中活動時に起こりやすく、逆に比較的心身安静時に出やすい不整脈もあり、心臓発作はいつ何時起こるかわかりません。
そこで、日中活動中や夜間睡眠中も含めて1日中常に心電図が記録できるのがホルター心電図です。
機械取り付け時間は10分程度です。

【血圧脈波検査(CAVI & ABI)】

血管は加齢と共に誰でも硬化していきますが、高血圧、高脂血症、糖尿病のある方は、特にその進行が速くなってきます。この検査は全身の動脈硬化及び狭窄を調べる検査です。
四肢の血圧を同時に測定する事により、ABI(足関節上腕血圧比)、CAVI(心臓足首血管指数)が算出されます。
ABIは腕の血圧と足首の血圧比で、四肢末梢における全身的な血管の動脈硬化の程度や狭窄の有無の判定に有用です。ABI値が0.9以下の場合、下肢閉塞性動脈硬化症の疑いがあります。動脈硬化により下肢の血管の狭窄が進んでいることを表します。CAVIは腕から足首までの脈波の伝播速度で、直接血管の硬さの程度を把握する事ができます。
この値が大きい程血管壁が硬くなっていることを表します。
同じ性別、同年齢の健康な方の「CAVI」平均値と比べることで、「血管年齢」がわかります。「CAVI」が9.0未満であっても「血管年齢」の高い方は動脈硬化の進行が早いと考えられます。
検査時間は10分程度です。

【聴力検査】

難聴の診断には一般的に純音聴力検査のうち、気導聴力検査が行われます。「オージオメータ」を用いて特定の周波数の純音を聞き、どの強さまで聞こえるか調べるものです。職場で行われる健康診断では簡易聴力検査の場合もあります。
検査時間は3分程度です。

【無散瞳眼底カメラ検査】

眼底カメラによって瞳孔から網膜を撮影し、眼底の血管を観察します。眼底の血管の状態をみることで、目の病気だけでなく、動脈硬化や高血圧、糖尿病による血管の病変、脳の血管障害や脳腫瘍など脳に起こる各種の異常を知ることができます。
眼底カメラには、無散瞳眼底カメラと散瞳眼底カメラがあり、当院では、最新のデジタル式眼底カメラを導入していますので、散瞳薬(瞳孔を開かせる薬)などを使用する事もなく、簡単に眼底検査を行うことができます。そのため、検査後でもすぐに自動車の運転なども可能です。
検査時間は10分程度です。

【超音波検査(エコー検査)】

人間の可聴音域は20~20000ヘルツといわれており、超音波とはこれより高い音域をいいます。超音波検査は、この超音波が体内の臓器などにあたって、はね返ってきた音(エコー)をとらえ、画像化する検査です。
検査用のゼリーを付け観察部位にプローブ(超音波を出す機具)当てるだけで、各臓器の形や大きさ・血管や血流の状態などを観察します。

腹部超音波検査(腹部エコー)

腹部超音波検査では、主に肝臓・胆のう・脾臓・腎臓・膵臓などの臓器を観察しますが、脂肪肝・肝のう胞・肝血管腫・胆石・胆のうポリープ・腎のう胞・腎結石などの良性疾患はもとより、肝臓癌・胆のう癌・腎癌・膵癌など悪性腫瘍性病変についても自覚症状や血液検査の異常が出現する以前に診断することが可能です。同時に胃腸・前立腺・婦人科臓器などのおおまかな異常の有無を調べることもありますが、胃や腸はガスのため見えない場合もあります。
検査時間は20分程度です。

心臓超音波検査(心エコー)

心臓は、左心室、右心室、左心房、右心房の 4つの部屋と、逆流を防ぐための 4つの弁から成るポンプです。心エコ-検査では、心臓の大きさ、動き、心臓の筋肉や弁の状態、血液の流れなどを観察し、ポンプが正常に働いているかどうかを判断します。心エコ-検査は、心臓病の診断だけでなく、治療方法の選択、治療効果の判定、手術時期の決定などにも役立ちます。
心電図異常・心雑音・胸痛・動悸・手足のむくみ・息苦しさ・心筋梗塞や弁膜症の経過観察などがあった場合に検査を行います。
検査時間は30分程度です。
 

(副)甲状腺超音波検査(甲状腺エコー)

甲状腺の大きさや腫瘍の有無と性質、リンパ節への転移、血流の程度を観察することで、甲状腺機能異常(バセドウ氏病・橋本病)、甲状腺腫瘍のスクリーニング検査として最適です。
また副甲状腺は、甲状腺に比べてあまりなじみの無い臓器かと思いますが、副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌して、体内のカルシウムやリンのバランスをとる非常に重要な役割を担っているものです。このホルモンのバランスが崩れると、副甲状腺が腫大して、皮膚の痒み、倦怠感、食欲不振、筋力低下など様々な症状が出現し、胃潰瘍や骨粗しょう症、骨折、尿路結石症を引き起すこともあります。
検査時間は20分程度です。
 

頚動脈超音波検査(頚動脈エコー)

頚動脈超音波検査とは、超音波によって血管内腔の形状や血管内膜面および血管壁の状態を観察する検査です。近年、日本では高齢化や食生活の欧米化に伴い動脈硬化性に起因する疾患が増加しています。脳梗塞や一過性脳虚血発作の原因として挙げられている頸部血管の動脈硬化も、頸動脈への超音波検査によって早期発見が可能です。動脈硬化とは、さまざまな原因によって動脈がもろくなったり、アテローム性の病変によって内径が狭くなったりした状態が動脈硬化です。動脈硬化は生活習慣病やメタボリックシンドロームによっても引き起こされるとされています。頚動脈に病変があれば、将来の脳梗塞の発生の原因となることがあります。
以前に、一過性の筋力低下や言語障害、意識消失、ひどいめまい、目の前が真っ暗になる、手足がしびれるなどの症状のあった人や、軽い脳梗塞の既往のある人、また狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患をもっている患者さまでは、無症状でも頚動脈、脳内血管の動脈硬化性病変を認めることが多いと言われており、積極的に検査を受けられることを薦めます。
検査時間は20分程度です。
 

シャント超音波検査(シャントエコー)

透析患者さまの血管の状態を診ています。細くなっているところは無いか、つまってないか、血管の壁が厚くなっているところはないか、血流速度を測り、心臓への影響や血液粘度と併せシャントの長期開存の参考にします。
検査時間は30分程度です。     

【SPP(皮膚灌流圧)検査】

SPPとは測定したい場所(主に足先)に血圧計を巻き、加圧して皮膚の微小血管の流れをレーザーで測定します。つまり毛細血管に血流がどの程度あるかを調べる検査です。

測定方法はベッドに仰向けに寝てもらう。検査したい部位にレーザーセンサを設置し、上からカフを巻く。カフの加圧により一旦血流を止め、カフを徐々に減圧したときに血流が回復するカフ圧をSPPとする。測定中に患者さんが動くと(会話も含む)正確な結果が得られないため、安静な状態で検査を行います。
検査時間は30分程度です。

検体検査

自動血球数分析装置

血球数(赤血球、白血球、血小板)を調べる検査です。
貧血や炎症、出血の原因、白血病などの診断に必要な検査です。

【尿分析装置】

PH・比重・蛋白・糖・ウロビリノーゲン・ケトン体・潜血の項目を検査します。
腎臓、尿路、肝臓などの機能をチェックします。

【免疫比濁分析装置】

CRP、ASO、HbA1Cを測定します。
炎症の程度を知る検査です。

【血液ガス分析装置】

動脈血の中に酸素、二酸化炭素などがどの位あるかを調べる検査です。
呼吸・循環機能、末梢でのガス交換、細胞代謝、酸塩基平衡の評価を行うことができます。

放射線検査

【Ⅹ線撮影】

CR(computed ragiography)を導入しています。画像はデジタル化されサーバーに保管されます。     
 

【CT】広範囲を高速に撮影できる16列マルチスライスCT

撮影スピードや臨床的有用性などの面で高い評価をいただいている東芝の16列マルチスライスCT。この優れた性能をより多くの施設でお使いいただくため、「被ばくを抑えて高画質」「高機能でコンパクト」「高いコストパフォーマンス」をコンセプトに新たに設計開発した16列マルチスライスCTです。

【骨塩量測定】

骨粗鬆症の診断や治療の経過観察に用いています。さらに透析患者様の骨量変化の経過観察に有効です。検査時間が約30秒と短く、患者様の負担は少なくなっています。

【デジタルⅩ線TV】

Ⅹ線透視・撮影画像はデジタル化されています。フイルムでは困難だった撮影後の濃度調整等のデジタル処理が可能です。     
 

【画像サーバー】

CR、CT等を院内ネットワークLAN接続し、画像をデジタル保管、サーバーで一元管理しています。画像の表示も素早く、過去・現在の画像比較を簡単に行うことができます。ネットワークに接続されているすべての端末から画像参照が可能で、電子カルテとの連動も行っています。